朝の7時、列車はバラナシの駅に到着。そこからリクシャーで安宿がありそうな場所まで行き、歩いて探しているとすぐに一泊250円くらいの宿を見つけ、そこにチェックイン。
荷物を置いて散歩しようと外に出ると、既に細い道の向こうに河らしきものの一部が見える。きっとあれがガンジス河だろうとその細道を歩いていくと、道は自然と灯台のような塔の頂上部への橋となり、僕は躊躇せずにそこを進んだ。
すると、眼下にガンジス河が広がった。
無理やり感動しようとしたが、駄目だった。僕にはただの緑色の川にしか見えない。ずっと見ていれば何か起きるかなと少し粘っていたら、背後からインド人に怒鳴られた。どうやらここは入ってはいけない場所らしい。僕は引き返し、人々が沐浴などをする川岸(ガート)へと降りる別の道を探してみることにした。
来た道を少し引き返すと、直ぐ目の前の暗闇から急にサリーみたいなのを着た女性たちがゾロゾロと現れた。よく見るとその暗闇は、建物の下にできた空間を利用したトンネルのようで、僕はそこからガートに出られるだろうと、とりあえず入ってみた。
すると、暗闇は想像以上に暗闇。目をつむったように何も見えない。インドの喧騒が成す音もそこは聞こえない。
暗闇がそこまで怖いという方ではないけれど、僕は一瞬にして震え上がってしまった。目が慣れるまでかなりゆっくりと歩いていると、前から人らしき足音が聞こえる。僕の心臓が大げさな程にバクバク音を立てているのが分かる。足音は何事もなく僕の横を通り過ぎたが、心臓のバクバクは続いた。
真っ暗闇のトンネルは、いろんな悪い想像を僕にさせた。ここインドのバラナシで起こりうる全てのことが、僕のすぐそこにあるような気がした。強盗、狂犬、猛牛、物乞い・・・。日本でこんなに暗闇が怖いと思ったのは以前住んでいたところで見回り中イノシシに襲われるかもしれないと思いながら夜道を歩いた時以来だ。あの時はイノシシだけが怖かったが、今度はいろんなものが怖い。いろんなことが想像できる。日本は平和だと言うけれど、暗闇でそれを実感させられるとは思ってもいなかった。
ようやく目がなれてきて、トンネルの向こうに出口の光が見えてきた。まだハッキリとは見えないが、道の左には何頭もの黒い牛が寝転んで、右側には人が二人眠っていた。それも怖いが、目で見えている限りそれ以上の想像をしないで済む分だいぶ恐怖心は薄れてきた。牛や人を踏まないように明かりの方へと歩き、無事脱出に成功。
トンネルの出口はそのままガートへ降りられるようになっていて、僕はそのガートで腰を下ろして休憩した。
目の前にはガンジス河があるけれど、人気の少ないガートで、誰一人沐浴していない。川に沿ってもう少し歩いてみようかと思っていたとき、インド人が日本語で話しかけてきた。
「カソウバ見るか?」
死体が焼かれているのを見せたいみたいだ。
荷物を置いて散歩しようと外に出ると、既に細い道の向こうに河らしきものの一部が見える。きっとあれがガンジス河だろうとその細道を歩いていくと、道は自然と灯台のような塔の頂上部への橋となり、僕は躊躇せずにそこを進んだ。
すると、眼下にガンジス河が広がった。
無理やり感動しようとしたが、駄目だった。僕にはただの緑色の川にしか見えない。ずっと見ていれば何か起きるかなと少し粘っていたら、背後からインド人に怒鳴られた。どうやらここは入ってはいけない場所らしい。僕は引き返し、人々が沐浴などをする川岸(ガート)へと降りる別の道を探してみることにした。
来た道を少し引き返すと、直ぐ目の前の暗闇から急にサリーみたいなのを着た女性たちがゾロゾロと現れた。よく見るとその暗闇は、建物の下にできた空間を利用したトンネルのようで、僕はそこからガートに出られるだろうと、とりあえず入ってみた。
すると、暗闇は想像以上に暗闇。目をつむったように何も見えない。インドの喧騒が成す音もそこは聞こえない。
暗闇がそこまで怖いという方ではないけれど、僕は一瞬にして震え上がってしまった。目が慣れるまでかなりゆっくりと歩いていると、前から人らしき足音が聞こえる。僕の心臓が大げさな程にバクバク音を立てているのが分かる。足音は何事もなく僕の横を通り過ぎたが、心臓のバクバクは続いた。
真っ暗闇のトンネルは、いろんな悪い想像を僕にさせた。ここインドのバラナシで起こりうる全てのことが、僕のすぐそこにあるような気がした。強盗、狂犬、猛牛、物乞い・・・。日本でこんなに暗闇が怖いと思ったのは以前住んでいたところで見回り中イノシシに襲われるかもしれないと思いながら夜道を歩いた時以来だ。あの時はイノシシだけが怖かったが、今度はいろんなものが怖い。いろんなことが想像できる。日本は平和だと言うけれど、暗闇でそれを実感させられるとは思ってもいなかった。
ようやく目がなれてきて、トンネルの向こうに出口の光が見えてきた。まだハッキリとは見えないが、道の左には何頭もの黒い牛が寝転んで、右側には人が二人眠っていた。それも怖いが、目で見えている限りそれ以上の想像をしないで済む分だいぶ恐怖心は薄れてきた。牛や人を踏まないように明かりの方へと歩き、無事脱出に成功。
トンネルの出口はそのままガートへ降りられるようになっていて、僕はそのガートで腰を下ろして休憩した。
目の前にはガンジス河があるけれど、人気の少ないガートで、誰一人沐浴していない。川に沿ってもう少し歩いてみようかと思っていたとき、インド人が日本語で話しかけてきた。
「カソウバ見るか?」
死体が焼かれているのを見せたいみたいだ。